「花だより みをつくし料理帖特別巻」(高田郁・著)を読んで

高田郁さんの小説「花だより みをつくし料理帖特別巻」を読みました。

シリーズ完結から4年が経ち、よもや続きが読めるとは思っていなかったので、この本を発見した時は思わず小躍りしそうに胸が高鳴りました。そっと表紙を開いて読み始めると、澪や種市など懐かしい面々が現れ、それだけでもう涙が出そうになります。

なんと74歳になったという種市ですが、腰痛に苦しみながらもまだまだお元気ですね。占いで一喜一憂して寝込むほど悩むとは可愛らしいおじいちゃんだなと思ってしまいますが、本物の水原東西に会えてなによりです。

そして、一番興味津々だったのは「涼風あり その名は岡太夫」というエピソードです。澪と相思相愛でありながら結ばれることの叶わなかった小松原様ですが、後に妻となった乙緒という女性のキャラクターがずいぶん予想外で驚きました。糸のように細い目で、能面のように無表情な乙緒。その実、心の内では様々な想いが渦巻いていてなんだか好感が持てます。厳しい境遇を深い優しさと思いやりで乗り越えていく登場人物たちに学ぶところの多い、素敵な一冊でした。シボヘール アマゾン